タレントプールの個人情報と同意|作り方・同意の文例・保管期限
惜しくも見送った人、条件が合わずに辞退した人、時期が合わなかった人。次の募集なら合うかもしれない人が、毎年何人か出ます。
その人たちに次の募集で声をかけられるようにしておく名簿が、タレントプール(人材プール)です。ここでいちばん迷うのが、個人情報をどこまで持ってよいか、同意をどう取るかです。この記事では、タレントプールの個人情報と同意の扱いを、法令の決まりから同意の文例、保管期限の決め方、削除の手順まで、人材プールの作り方の順に整理します。
この記事の内容(14項目)
- タレントプールに入れてよいのは、個人情報の利用に同意がある人だけ
- 同意を取るのは、不採用や辞退の連絡のとき
- 期限も一緒に伝える
- 返信が無い人は入れない
- タレントプールの同意の取り方:場面別の文例
- 同意を選考の条件にしない
- 同意の記録を残す
- タレントプールに入れる基準
- 入れない人
- 入れる理由を1行残す
- 件数を絞る
- タレントプールの保管期限の決め方
- 同意した期限と、応募書類の期限は分ける
- 1年を基本に、職種で変えてもよい
- タレントプールの管理表で持つもの
- 応募書類は持たない
- 同意の期限で並べ替える
- 再応募者確認表と分けて持つ
- タレントプールの人への連絡の間隔と文面
- 連絡するのは、募集が出たときだけ
- 文面に入れること
- 前回との違いを書く
- 1回で反応が無ければ、次の募集まで待つ
- タレントプールが機能しない3つの原因
- その1:同意を取っていないので連絡できない
- その2:入れた理由が書かれていない
- その3:募集が出たときに表を見ていない
- 効果はすぐには出ない
- タレントプールに入れる人を増やす
- 同意を取る文言を1つに統一する
- イベントや面談は、最初から目的に入れる
- 見学に来た人も入れられる
- タレントプールから削除する手順
- 削除する場面は3つ
- 連絡不要と言われたら、その日に消す
- 消したことを記録する
- 期限を延ばすなら、改めて同意を取る
- タレントプールにツールを使うかどうか
- 件数が少ないなら、丁寧に書くほうが効く
- ツールを入れる前に、同意の運用を固める
- まずは1年やってみる
- タレントプールの個人情報と同意にかかわる最近の動き(2026年10月時点)
- タレントプールの個人情報と同意に出てくる用語
- タレントプールの個人情報と同意と一緒に押さえておきたいこと
- 健康や家庭の事情は、タレントプールに持ち込まない
- グループ会社や紹介会社に回すのは、第三者提供になる
- 本人から消去を求められたら、期限の前でも消す
- 同意の文面は年1回見直す
- よくある質問
タレントプールに入れてよいのは、個人情報の利用に同意がある人だけ
タレントプールの個人情報で、いちばん先に決めるのはここです。本人の同意がないまま、連絡先を持ち続けない形にしておくと、あとで迷いません。
同意を取るのは、不採用や辞退の連絡のとき
いちばん自然なのは、選考が終わる連絡の中で確認する形です。「今後の募集の際にご連絡してもよろしいでしょうか」と1行入れて、返信をもらいます。返信があった人だけをタレントプールに入れます。文例は次の節にまとめています。
期限も一緒に伝える
同意も無期限にしないほうが扱いやすくなります。「1年間、保管させていただきます」といった期限を伝えたうえで同意をもらうと、その後の扱いが決まります。期限が来たら削除するか、改めて確認します。
返信が無い人は入れない
返信が無かった人を「反対されていないから」として入れないでください。個人情報保護委員会のガイドラインは、同意を得ている例として、口頭の意思表示、書面やメールの受領、確認欄へのチェックなどを挙げています。どれも本人が何かをした記録です。黙っていることは、同意の例に入っていません。応募の入口で利用目的をどう書くかは採用と個人情報にまとめています。
タレントプールの同意の取り方:場面別の文例
タレントプールの同意は、取る場面によって文面が少し変わります。一般的なのは、不採用の連絡、辞退の受付、応募フォームの3つです。どの場面でも、何に使うか・いつまで持つか・止め方の3つを書くのがポイントです。職業安定法の指針は、同意を得るときは、同意を求める事項をできる限り具体的かつ詳細に示し、本人の自由な意思に基づく明確な同意であることを求めています。
なお、今後◯◯職の募集を行う際に、改めてご案内をお送りしてもよろしいでしょうか。ご了承いただける場合は、本メールに「案内可」とご返信ください。いただいたお名前・ご連絡先・応募職種は、募集のご案内にのみ使用し、本日から1年間保管したのち削除いたします。ご返信がない場合は、選考の終了後、当社の定めに従って削除いたします。
もし差し支えなければ、今後条件の異なる募集を行う際にご案内をお送りしてもよろしいでしょうか。ご希望の場合のみ「案内可」とご返信ください。ご連絡先は募集のご案内にのみ使用し、1年間保管したのち削除いたします。ご返信がなくても、今後ご連絡することはありません。
ご同意いただいた場合、お名前・ご連絡先・応募職種を、選考終了日から1年間、当社の募集のご案内のためにのみ保管します。この欄のチェックの有無は、選考の結果に影響しません。いつでもメールで停止を申し出ていただけます。
同意を選考の条件にしない
応募フォームで同意を取る形は手間が少なく、よく使われています。そのときはチェックを必須にしないことが大切です。職業安定法の指針は、業務の目的に必要な範囲を超える個人情報の利用への同意を、募集の条件にしないこととしています。チェックしないと送信できないフォームは、この形から外れます。
同意の記録を残す
返信メールやフォームの記録は、同意を得た証拠になります。管理表には同意の日付と方法(メール返信/フォーム)を書き、元のメールは同意の期限まで残しておくと、後から問い合わせを受けたときに答えられます。
タレントプールに入れる基準
同意を得た人を全員入れると、連絡するときに誰に何を送ればよいか分からなくなります。基準を決めてください。
| 入れる人 | なぜ入れるか | 次に声をかける場面 |
|---|---|---|
| 要件は満たすが、採用枠が埋まった人 | 評価は足りている | 同じ職種の次の募集 |
| 条件が合わずに辞退した人 | 条件が変われば合う | 条件を見直したとき |
| 時期が合わなかった人 | 本人の都合 | 本人が言った時期 |
| 別の職種なら合いそうな人 | 経験の方向が違っただけ | その職種の募集が出たとき |
| カジュアル面談で会って、応募に至らなかった人 | 接点はできている | 募集が出たとき |
入れない人
- 必須要件を満たしていなかった人。次も同じ結果になります
- 評価基準に大きく届かなかった人。声をかけても双方の時間が減ります
- 同意の返信が無かった人。入れてはいけません
入れる理由を1行残す
「なぜこの人を入れたか」を1行書いておかないと、半年後に見たときに、誰に何を送ればよいか分かりません。「営業の枠が埋まったため見送り。次の営業募集で連絡」といった形で足ります。
件数を絞る
50人も100人もためると、連絡するときに全員へ同じ文面を送ることになります。それでは効果が出にくくなります。目安として、職種ごとに10人から20人程度に絞ると、1人ずつ文面を書けます。
タレントプールの保管期限の決め方
タレントプールの個人情報を何年持ってよいか、法令で年数が決まっているわけではありません。個人情報保護法は、利用する必要がなくなった個人データを遅滞なく消去するよう努めることとしています(22条)。ガイドラインは、利用目的が達成されて保有する合理的な理由がなくなった場合などをその例に挙げています。つまり、期限は会社が決めて、本人に伝えておくものです。
| 決めること | 置き方の例 | 理由 |
|---|---|---|
| 期限の長さ | 同意を得た日から1年 | 多くの会社で募集は年1回か2回。1年あれば次の募集に1回は当たる |
| 起算日 | 同意の返信を受けた日 | 選考終了日だと、同意の前の期間まで数えてしまう |
| 期限の確認 | 月に1回、期限で並べ替える | 見る日を決めないと、期限切れがたまる |
| 延長 | 期限前に改めて連絡し、返信があれば1年延ばす | 黙って延ばすと、伝えた期限と違う扱いになる |
| 消し方 | 管理表の行と、元のメールを一緒に消す | 表だけ消しても、メールに連絡先が残る |
同意した期限と、応募書類の期限は分ける
タレントプールに入れるのは、連絡に使う最小限の情報です。履歴書や職務経歴書そのものは、応募書類として決めた期間で処分してかまいません。同じ期限で持ち続ける必要はありません。応募書類の期間の決め方は応募書類の保管と返却にまとめています。
1年を基本に、職種で変えてもよい
募集が数年に1回の職種なら、期限を2年にしてもかまいません。大事なのは年数そのものより、伝えた期限どおりに消すことです。期限を職種ごとに変えるなら、同意の文面にもその期限を書きます。
タレントプールの管理表で持つもの
タレントプールの管理表は、連絡するときに使う情報だけを持ちます。応募書類そのものは持ちません。
| 列 | 役割 |
|---|---|
| 氏名と連絡先 | 連絡の宛先 |
| 前回の応募日 | どのくらい前か |
| 前回の職種 | 次に声をかける募集を決める |
| 前回の段階と結果 | どこまで進んだか |
| 入れた理由 | 1行。次に声をかける場面 |
| 同意の日付・方法・期限 | いちばん大事な列 |
| 連絡した日 | 何度も連絡していないか |
| 結果 | 応募/辞退/連絡不要 |
応募書類は持たない
タレントプールに入れるからといって、履歴書や職務経歴書を持ち続ける必要はありません。上の列があれば、次の募集で声をかけられます。書類の扱いは応募書類の保管と返却にまとめています。
同意の期限で並べ替える
月に1回、同意の期限で並べ替えて、期限が来た人を削除するか、改めて確認してください。この作業をしないと、期限切れの情報がたまります。
再応募者確認表と分けて持つ
タレントプールはこちらから声をかける人、再応募者確認表は相手から再び応募が来たときに照合するものです。役割が違うので、表を分けてください。再応募の扱いは再応募の受け付け方にまとめています。応募から選考までの流れを1枚で持つ表は採用管理表の作り方で扱っています。
タレントプールの人への連絡の間隔と文面
タレントプールは、連絡しなければ意味がありません。ただし、頻繁に送ると連絡不要にされます。
連絡するのは、募集が出たときだけ
会社の近況やニュースを定期的に送る形は、読まれにくいうえに、連絡不要にされる原因になります。同意で伝えた利用目的も「募集のご案内」です。その人に合う募集が出たときだけ連絡すると、年に1回か2回になります。
文面に入れること
- 前回いつ応募してもらったか。思い出してもらいます
- 連絡してよいという同意をもらっていること。突然の連絡ではないと伝わります
- 今回の募集の内容。職種、条件、前回との違い
- 応募の方法。すぐ動ける形にします
- 連絡を止める方法。1行入れます
前回との違いを書く
前回と同じ条件なら、前回と同じ理由で断られます。条件や仕事の中身が変わっているなら、そこを書いてください。変わっていないなら、そもそも声をかける意味が薄いかもしれません。
1回で反応が無ければ、次の募集まで待つ
返信が無い相手に追いかけの連絡を送らないでください。次の募集のときに、また1回だけ送る形にします。
タレントプールが機能しない3つの原因
作ったのに使われないとき、原因はだいたい次の3つです。
その1:同意を取っていないので連絡できない
連絡先だけためても、同意が無ければ使えません。結果として、消せない情報がたまるだけになります。選考の終わりに同意を取る手順を、連絡の定型文に組み込んでください。連絡の形は選考連絡の期限の決め方にまとめています。
その2:入れた理由が書かれていない
半年後に表を開いても、誰に何を送ればよいか分かりません。1行の理由が、そのまま次の連絡の材料になります。
その3:募集が出たときに表を見ていない
これがいちばん多い形です。募集を出す手順に「タレントプールを確認する」を1行入れてください。募集要項を作るときのチェックに入れると忘れません。手順は募集要項の書き方にまとめています。
効果はすぐには出ない
タレントプールから来る応募は、多くの会社で年に数人の規模です。それでも、媒体に1人分の費用をかけることと比べれば検討する価値があります。効果の見方は採用の効果測定にまとめています。
タレントプールに入れる人を増やす
選考で見送った人だけだと、人数が限られます。接点のある人を広く拾うと、次の募集で使える相手が増えます。
| 入口 | 同意を取る場面 |
|---|---|
| 選考で見送った人 | 不採用の連絡の中で |
| 内定を辞退した人 | 辞退の連絡を受けたとき |
| 選考中止で止まった人 | 中止の連絡の中で |
| カジュアル面談で会った人 | 面談の終わりに |
| 採用イベントで会った人 | アンケートの中で |
| 職場見学に来た人 | 見学の受付のときに |
同意を取る文言を1つに統一する
場面ごとに違う文言を使うと、どこまで同意を得ているかが分からなくなります。「今後の募集の際にご連絡してもよろしいでしょうか。ご同意いただいた場合、1年間保管いたします」といった1文に統一してください。
イベントや面談は、最初から目的に入れる
採用イベントやカジュアル面談で得た連絡先は、最初から「今後の募集の案内に使う」ことを利用目的として伝えておけば、後から取り直す必要がありません。厚生労働省の求人企業向けリーフレットも、目的を示す例として「当社の募集ポストに関するメールマガジンを配信するために使用します」を挙げています。イベントの記録は採用イベントのフォロー、面談の記録はカジュアル面談の進め方にまとめています。
見学に来た人も入れられる
職場見学に来たが応募しなかった人は、職場を見たうえで検討しているので、次の募集で有力な相手になります。受け入れ方は職場見学の受け入れにまとめています。
タレントプールから削除する手順
タレントプールは、入れることより、消すことのほうが忘れられます。削除の手順を決めておいてください。
削除する場面は3つ
- 同意の期限が来たとき。月1回の確認で見つけます
- 連絡不要と言われたとき。その日のうちに削除します
- 採用に至ったとき。従業員の記録へ移して、プールからは消します
連絡不要と言われたら、その日に消す
「後でまとめて」にすると、次の募集でまた送ってしまいます。これは相手にとって最も印象が悪い形です。その日のうちに消してください。
消したことを記録する
いつ、何件を削除したかを1行残しておくと、後から確認できます。個別の氏名を残す必要はありません。ガイドラインでは、個人データの消去には、データを削除することのほか、特定の個人を識別できないようにすることも含むとされています。
期限を延ばすなら、改めて同意を取る
期限が来たときに、まだ声をかけたい相手であれば、改めて連絡して同意を取り直してください。黙って期限を延ばさないでください。
タレントプールにツールを使うかどうか
タレントプールを管理するツールがありますが、件数が少ないうちはエクセルで足ります。
エクセルで足りる
職種ごとに10人から20人連絡は年に1回か2回
担当が1人か2人
多くの中小企業
ツールが要る
数百人規模行動の履歴を追いたい
配信の停止を自動で処理したい
継続的に接点を持つ運用
件数が少ないなら、丁寧に書くほうが効く
10人に個別の文面を書くほうが、100人に同じ文面を送るより応募につながりやすくなります。人数を増やすことを目的にしないでください。
ツールを入れる前に、同意の運用を固める
ツールを入れても、同意を取っていない人へ送れるようにはなりません。同意の取り方と削除の手順が固まっていないうちにツールを入れると、消せない情報が増えるだけになります。外部のツールに個人データを預けるのは、個人情報保護法でいう「委託」にあたるのが一般的で、預けた側には委託先を監督する義務があります(27条5項1号・25条)。
まずは1年やってみる
タレントプールから応募が来るまでには時間がかかります。1年やって、応募が0なら運用のどこかに問題があります。同意を取れているか、募集のときに表を見ているかを確認してください。
タレントプールの個人情報と同意にかかわる最近の動き(2026年10月時点)
タレントプールの個人情報と同意の扱いは、個人情報保護法と職業安定法の改正で、ここ数年少しずつ形が変わってきました。日付順に並べます。
| 日付 | できごと | タレントプールとのかかわり |
|---|---|---|
| 2022年4月1日 | 令和2年改正個人情報保護法が全面施行。利用停止・消去の請求ができる場面が広がり、利用する必要がなくなった場合なども対象になった(35条5項)。6か月以内に消す短期保存のデータも、開示や利用停止の対象になった | 期限切れのまま持ち続けると、本人から消去を求められる理由になる。短期間だけ持つ名簿でも、請求に答える準備が要る |
| 2022年10月1日 | 改正職業安定法が施行。応募者の個人情報を集めるときは、業務の目的を明らかにすることになり、指針に同意の取り方(具体的に示す・募集の条件にしない・明確な同意)が定められた | 「今後の募集のご案内に使う」ことを、具体的に示して同意を取る形が求められる |
| 2026年1月9日 | 個人情報保護委員会が「いわゆる3年ごと見直しの制度改正方針」を公表 | 改正の方向が示された |
| 2026年7月10日成立、7月17日公布 | 令和8年改正個人情報保護法。取得の状況からみて本人の意思に反しないため、本人の権利利益を害しないことが明らかな取扱いについて、目的外利用などの同意を不要とする規定などが入った。施行は原則として公布の日から2年を超えない範囲内 | 施行前は現行の決まりのまま。施行後も、タレントプールが「明らかに本人の意思に反しない」に当たるかは個別の判断になるため、同意を取る運用を続けるのが無難 |
ポイントは、タレントプールの同意は「取ったかどうか」に加えて「何を示して取ったか」も見られるようになっていることです。文面に使い道・期限・止め方の3つを入れておけば、どの改正にも対応しやすくなります。
出典:e-Gov法令検索(個人情報の保護に関する法律)、e-Gov法令検索(職業安定法)、個人情報保護委員会 令和2年改正法の概要、個人情報保護委員会 令和8年改正個人情報保護法、厚生労働省 令和4年職業安定法の改正について、厚生労働省 求人企業向けリーフレット、新潟労働局 職業安定法に基づく指針(抄)。確認日は2026年10月3日です。個別の扱いは、個人情報保護委員会の個人情報保護法相談ダイヤル、または所轄のハローワーク・都道府県労働局で確認してください。
タレントプールの個人情報と同意に出てくる用語
タレントプールの個人情報と同意を調べると出てくる言葉です。法令に定めのある言葉と、ない言葉を分けて並べます。
| 用語 | 意味 | 出典 |
|---|---|---|
| タレントプール(人材プール) | 次の募集で声をかけるために、過去に接点のあった人の連絡先などを持っておく名簿 | 法令上の定義はない |
| 個人情報 | 生存する個人に関する情報で、氏名などにより特定の個人を識別できるもの | 個人情報保護法2条1項 |
| 個人データ | 検索できるように整理した名簿やデータベース(個人情報データベース等)に入っている個人情報。エクセルの管理表も当たりうる | 個人情報保護法16条3項 |
| 利用目的 | 個人情報を何に使うか。できる限り特定することとされている | 個人情報保護法17条1項 |
| 本人の同意 | 示された扱い方を承諾する本人の意思表示。口頭、書面やメールの受領、確認欄へのチェックなどが例 | 個人情報保護委員会 通則編ガイドライン2-16 |
| 要配慮個人情報 | 病歴、信条、社会的身分など、不当な差別や偏見が生じないよう特に配慮を要する情報。取得には原則として本人の同意が要る | 個人情報保護法2条3項・20条2項 |
| 求職者等の個人情報 | 応募者など、労働者になろうとする人の個人情報。募集の目的の範囲内で集め、保管し、使う | 職業安定法5条の5 |
| 消去 | 個人データを個人データとして使えなくすること。削除のほか、特定の個人を識別できないようにすることを含む | 通則編ガイドライン3-4-1 |
タレントプールで混ざりやすいのが、利用目的と同意です。利用目的は会社が決めて示すもの、同意はその目的の範囲を超えるときに本人からもらうものと分けておくと、どの場面で何をすればよいかがはっきりします。
タレントプールの個人情報と同意と一緒に押さえておきたいこと
タレントプールの個人情報と同意は、同意の文面と保管期限を決めれば大きく前進します。そのうえで、運用の途中で迷いやすい点をまとめます。
健康や家庭の事情は、タレントプールに持ち込まない
辞退の理由として、体調や家族の介護などを聞くことがあります。病歴などは要配慮個人情報にあたり、取得には原則として本人の同意が要るとされています(個人情報保護法2条3項・20条2項)。管理表の「入れた理由」には「時期が合わず辞退」のように事情に踏み込まない言葉で書くと、持たなくてよい情報を持たずに済みます。
グループ会社や紹介会社に回すのは、第三者提供になる
自社のタレントプールを、グループ会社の採用に使ったり、紹介会社に渡したりするのは、個人データの第三者提供にあたり、あらかじめ本人の同意が要るのが原則です(個人情報保護法27条1項)。厚生労働省のリーフレットも、グループ企業の選考にも使うのに「自社の採用選考のため」と示す例を、目的の示し方としてよくない例に挙げています。同意の文面に書いていない相手には渡さないと決めておくと迷いません。
本人から消去を求められたら、期限の前でも消す
本人は、利用する必要がなくなった場合などに、保有個人データの利用停止や消去を請求できます(個人情報保護法35条5項)。タレントプールは本人の同意で成り立っているので、「消してください」と言われたら、期限の前でもその日に消して、消したことを返信する形にしておくのが分かりやすい運用です。
同意の文面は年1回見直す
募集する職種や、案内の送り方(メール、ショートメッセージなど)が変わると、同意の文面と実際の使い方がずれていきます。年に1回、同意の文面と実際の連絡のしかたを並べて見比べると、示していない使い方を防げます。
よくある質問
- Q. タレントプールに入れるのに、本人の同意は必要ですか?
- 応募の時点で「今後の募集のご案内」を利用目的として示していないなら、同意を取るのが確実です。特定した利用目的の範囲を超えて個人情報を扱うには、あらかじめ本人の同意が要るとされています(個人情報保護法18条1項)。職業安定法5条の5でも、応募者の個人情報は募集の目的の範囲内で扱い、本人の同意がある場合などは例外とされています。不採用や辞退の連絡の中で確認し、返信があった人だけを入れてください。
- Q. 応募フォームのチェック欄で同意を取ってもよいですか?
- 確認欄へのチェックは、同意を得る方法の例として個人情報保護委員会のガイドラインに挙がっています。ただし、職業安定法の指針は、必要な範囲を超える利用への同意を募集の条件にしないこととしているため、チェックは任意にし、チェックの有無が選考に影響しないことを書き添えてください。
- Q. 返信が無かった人は、タレントプールに入れてもよいですか?
- 入れないでください。ガイドラインが同意の例として挙げているのは、口頭やメール、チェックなど本人が何かをした場合です。反対されていないから入れてよい、という扱いにはなりません。
- Q. タレントプールの個人情報は、何年保管してよいですか?
- 年数を定めた法令の規定はなく、会社が決めます。個人情報保護法22条は、利用する必要がなくなった個人データを遅滞なく消去するよう努めることとしています。同意を得た日から1年を基本にし、その期限を同意の文面に書いておく形が扱いやすくなります。延ばすときは、期限の前に改めて同意を取ります。
- Q. タレントプールには何人くらい入れるとよいですか?
- 目安として、職種ごとに10人から20人程度に絞ると、1人ずつ文面を書けます。50人も100人もためると、連絡するときに全員へ同じ文面を送ることになり、効果が出にくくなります。
- Q. タレントプールの人には、どのくらいの頻度で連絡しますか?
- その人に合う募集が出たときだけです。年に1回か2回になります。同意で伝えた使い道も「募集のご案内」なので、会社の近況を定期的に送る形は避けてください。
- Q. タレントプールに入れた人の応募書類は、持ち続けてよいですか?
- 持ち続ける必要はありません。氏名、連絡先、前回の職種と段階、入れた理由、同意の日付と期限があれば、次の募集で声をかけられます。書類そのものは、応募書類として決めた保管期間で処分してください。
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