人材プールの作り方|入れる基準と、同意の取り方
惜しくも見送った人、条件が合わずに辞退した人、時期が合わなかった人。次の募集なら合うかもしれない人が、毎年何人か出ます。
その人たちに次の募集で声をかけられる形にしておくのが、人材プールです。ただし、連絡先を勝手にためておく仕組みではありません。この記事では、人材プールの作り方を、入れる基準から同意の取り方、連絡の間隔、個人情報の扱いまでの順に整理します。
この記事の内容(9項目)
- 人材プールに入れてよいのは、同意がある人だけ
- 同意を取るのは、不採用や辞退の連絡のとき
- 期限も一緒に伝える
- 返信が無い人は入れない
- 人材プールに入れる基準
- 入れない人
- 入れる理由を1行残す
- 件数を絞る
- 管理表で持つもの
- 応募書類は持たない
- 同意の期限で並べ替える
- 再応募者確認表と分けて持つ
- 連絡の間隔と、文面
- 連絡するのは、募集が出たときだけ
- 文面に入れること
- 前回との違いを書く
- 1回で反応が無ければ、次の募集まで待つ
- 人材プールが機能しない3つの原因
- その1:同意を取っていないので連絡できない
- その2:入れた理由が書かれていない
- その3:募集が出たときに表を見ていない
- 効果はすぐには出ない
- 人材プールに入れる人を増やす
- 同意を取る文言を1つに統一する
- イベントや面談は、最初から目的に入れる
- 見学に来た人も入れられる
- 削除の手順
- 削除する場面は3つ
- 連絡不要と言われたら、その日に消す
- 消したことを記録する
- 期限を延ばすなら、改めて同意を取る
- ツールを使うかどうか
- 件数が少ないなら、丁寧に書くほうが効く
- ツールを入れる前に、同意の運用を固める
- まずは1年やってみる
- よくある質問
人材プールに入れてよいのは、同意がある人だけ
いちばん先に決めるのはここです。本人の同意がないまま、連絡先を持ち続けないでください。
同意を取るのは、不採用や辞退の連絡のとき
いちばん自然なのは、選考が終わる連絡の中で確認する形です。「今後の募集の際にご連絡してもよろしいでしょうか」と1行入れて、返信をもらいます。返信があった人だけを人材プールに入れてください。
期限も一緒に伝える
同意も無期限ではありません。「1年間、保管させていただきます」といった期限を伝えたうえで同意をもらうと、その後の扱いが決まります。期限が来たら削除するか、改めて確認します。
返信が無い人は入れない
返信が無かった人を「反対されていないから」として入れないでください。同意は、返信があって初めて得られたものです。
人材プールに入れる基準
同意を得た人を全員入れると、連絡するときに誰に何を送ればよいか分からなくなります。基準を決めてください。
| 入れる人 | なぜ入れるか | 次に声をかける場面 |
|---|---|---|
| 要件は満たすが、採用枠が埋まった人 | 評価は足りている | 同じ職種の次の募集 |
| 条件が合わずに辞退した人 | 条件が変われば合う | 条件を見直したとき |
| 時期が合わなかった人 | 本人の都合 | 本人が言った時期 |
| 別の職種なら合いそうな人 | 経験の方向が違っただけ | その職種の募集が出たとき |
| カジュアル面談で会って、応募に至らなかった人 | 接点はできている | 募集が出たとき |
入れない人
- 必須要件を満たしていなかった人。次も同じ結果になります
- 評価基準に大きく届かなかった人。声をかけても双方の時間が減ります
- 同意の返信が無かった人。入れてはいけません
入れる理由を1行残す
「なぜこの人を入れたか」を1行書いておかないと、半年後に見たときに、誰に何を送ればよいか分かりません。「営業の枠が埋まったため見送り。次の営業募集で連絡」といった形で足ります。
件数を絞る
50人も100人もためると、連絡するときに全員へ同じ文面を送ることになります。それでは効果が出ません。職種ごとに10人から20人程度に絞ってください。
管理表で持つもの
人材プールの管理表は、連絡するときに使う情報だけを持ちます。応募書類そのものは持ちません。
| 列 | 役割 |
|---|---|
| 氏名と連絡先 | 連絡の宛先 |
| 前回の応募日 | どのくらい前か |
| 前回の職種 | 次に声をかける募集を決める |
| 前回の段階と結果 | どこまで進んだか |
| 入れた理由 | 1行。次に声をかける場面 |
| 同意の日付と期限 | いちばん大事な列 |
| 連絡した日 | 何度も連絡していないか |
| 結果 | 応募/辞退/連絡不要 |
応募書類は持たない
人材プールに入れるからといって、履歴書や職務経歴書を持ち続ける必要はありません。上の列があれば、次の募集で声をかけられます。書類の扱いは応募書類の保管と返却にまとめています。
同意の期限で並べ替える
月に1回、同意の期限で並べ替えて、期限が来た人を削除するか、改めて確認してください。この作業をしないと、期限切れの情報がたまります。
再応募者確認表と分けて持つ
人材プールはこちらから声をかける人、再応募者確認表は相手から再び応募が来たときに照合するものです。役割が違うので、表を分けてください。再応募の扱いは再応募の受け付け方にまとめています。
連絡の間隔と、文面
人材プールは、連絡しなければ意味がありません。ただし、頻繁に送ると連絡不要にされます。
連絡するのは、募集が出たときだけ
会社の近況やニュースを定期的に送る形は、読まれないうえに、連絡不要にされる原因になります。その人に合う募集が出たときだけ連絡してください。年に1回か2回になります。
文面に入れること
- 前回いつ応募してもらったか。思い出してもらいます
- 連絡してよいという同意をもらっていること。突然の連絡ではないと伝わります
- 今回の募集の内容。職種、条件、前回との違い
- 応募の方法。すぐ動ける形にします
- 連絡を止める方法。1行入れます
前回との違いを書く
前回と同じ条件なら、前回と同じ理由で断られます。条件や仕事の中身が変わっているなら、そこを書いてください。変わっていないなら、そもそも声をかける意味が薄いかもしれません。
1回で反応が無ければ、次の募集まで待つ
返信が無い相手に追いかけの連絡を送らないでください。次の募集のときに、また1回だけ送る形にします。
人材プールが機能しない3つの原因
作ったのに使われないとき、原因はだいたい次の3つです。
その1:同意を取っていないので連絡できない
連絡先だけためても、同意が無ければ使えません。結果として、消せない情報がたまるだけになります。選考の終わりに同意を取る手順を、連絡の定型文に組み込んでください。連絡の形は選考連絡の期限の決め方にまとめています。
その2:入れた理由が書かれていない
半年後に表を開いても、誰に何を送ればよいか分かりません。1行の理由が、そのまま次の連絡の材料になります。
その3:募集が出たときに表を見ていない
これがいちばん多い形です。募集を出す手順に「人材プールを確認する」を1行入れてください。募集要項を作るときのチェックに入れると忘れません。手順は募集要項の書き方にまとめています。
効果はすぐには出ない
人材プールから応募が来るのは、年に1人か2人という規模です。それでも、募集にかかる費用と比べれば十分に見合います。効果の見方は採用の効果測定にまとめています。
人材プールに入れる人を増やす
選考で見送った人だけだと、人数が限られます。接点のある人を広く拾うと、次の募集で使える相手が増えます。
| 入口 | 同意を取る場面 |
|---|---|
| 選考で見送った人 | 不採用の連絡の中で |
| 内定を辞退した人 | 辞退の連絡を受けたとき |
| 選考中止で止まった人 | 中止の連絡の中で |
| カジュアル面談で会った人 | 面談の終わりに |
| 採用イベントで会った人 | アンケートの中で |
| 職場見学に来た人 | 見学の受付のときに |
同意を取る文言を1つに統一する
場面ごとに違う文言を使うと、どこまで同意を得ているかが分からなくなります。「今後の募集の際にご連絡してもよろしいでしょうか。ご同意いただいた場合、1年間保管いたします」といった1文に統一してください。
イベントや面談は、最初から目的に入れる
採用イベントやカジュアル面談で得た連絡先は、最初から「今後の募集の案内に使う」ことを利用目的として伝えておけば、後から取り直す必要がありません。イベントの記録は採用イベントのフォロー、面談の記録はカジュアル面談の進め方にまとめています。
見学に来た人も入れられる
職場見学に来たが応募しなかった人は、職場を見たうえで検討しているので、次の募集で有力な相手になります。受け入れ方は職場見学の受け入れにまとめています。
削除の手順
人材プールは、入れることより、消すことのほうが忘れられます。削除の手順を決めておいてください。
削除する場面は3つ
- 同意の期限が来たとき。月1回の確認で見つけます
- 連絡不要と言われたとき。その日のうちに削除します
- 採用に至ったとき。従業員の記録へ移して、プールからは消します
連絡不要と言われたら、その日に消す
「後でまとめて」にすると、次の募集でまた送ってしまいます。これは相手にとって最も印象が悪い形です。その日のうちに消してください。
消したことを記録する
いつ、何件を削除したかを1行残しておくと、後から確認できます。個別の氏名を残す必要はありません。
期限を延ばすなら、改めて同意を取る
期限が来たときに、まだ声をかけたい相手であれば、改めて連絡して同意を取り直してください。黙って期限を延ばさないでください。
ツールを使うかどうか
人材プールを管理するツールがありますが、件数が少ないうちはエクセルで足ります。
エクセルで足りる
職種ごとに10人から20人連絡は年に1回か2回
担当が1人か2人
ほとんどの中小企業
ツールが要る
数百人規模行動の履歴を追いたい
配信の停止を自動で処理したい
継続的に接点を持つ運用
件数が少ないなら、丁寧に書くほうが効く
10人に個別の文面を書くほうが、100人に同じ文面を送るより応募につながります。人数を増やすことを目的にしないでください。
ツールを入れる前に、同意の運用を固める
ツールを入れても、同意を取っていない人へ送れるようにはなりません。同意の取り方と削除の手順が固まっていないうちにツールを入れると、消せない情報が増えるだけになります。
まずは1年やってみる
人材プールから応募が来るまでには時間がかかります。1年やって、応募が0なら運用のどこかに問題があります。同意を取れているか、募集のときに表を見ているかを確認してください。
よくある質問
- Q. 人材プールに入れるのに、本人の同意は必要ですか?
- 必要です。「採用選考のため」として取得した情報を、選考が終わった後も次の募集の案内に使うなら、その旨を伝えて同意を得る必要があります。不採用や辞退の連絡の中で「今後の募集の際にご連絡してもよろしいでしょうか」と確認し、返信があった人だけを入れてください。
- Q. 返信が無かった人は、人材プールに入れてもよいですか?
- 入れないでください。同意は、返信があって初めて得られたものです。反対されていないから入れてよい、という扱いにはなりません。
- Q. 人材プールには何人くらい入れるとよいですか?
- 職種ごとに10人から20人程度に絞ってください。50人も100人もためると、連絡するときに全員へ同じ文面を送ることになり、効果が出ません。10人に個別の文面を書くほうが応募につながります。
- Q. 人材プールの人には、どのくらいの頻度で連絡しますか?
- その人に合う募集が出たときだけです。年に1回か2回になります。会社の近況を定期的に送る形は、読まれないうえに連絡不要にされる原因になります。
- Q. 人材プールに入れた人の応募書類は、持ち続けてよいですか?
- 持ち続ける必要はありません。氏名、連絡先、前回の職種と段階、入れた理由、同意の日付と期限があれば、次の募集で声をかけられます。書類そのものは、決めた保管期間で処分してください。
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