カジュアル面談の進め方|選考と分ける線の引き方
「まずはカジュアルにお話ししましょう」と言って会ったものの、雑談で終わって次につながらない。カジュアル面談では、よくある結果です。
一般には、選考ではないことを先に伝えたうえで、こちらから会社の話を先に出し、相手の希望を聞いて終わる形が採られています。この記事では、カジュアル面談の進め方を、選考と分ける線から話す順番、聞いてよいこと、応募につなげる置き方までの順に整理します。
この記事の内容(9項目)
- カジュアル面談と面接の違い
- 合否を付けないと決めておく
- 相手にも先に伝える
- カジュアル面談の進め方は4段階
- 会社の話を先に出す理由
- 出す情報は、募集要項に書いてあること以上にする
- カジュアル面談で聞いてよいこと
- 希望条件は具体的に聞く
- 他社の話は否定しない
- 記録に残すもの
- 評価は書かない
- 個人情報の扱いを先に伝える
- 応募につなげる置き方
- 選択肢を3つ渡す
- 次に連絡する時期を、その場で決める
- 職場を見せる案を持っておく
- カジュアル面談が空回りする3つの原因
- その1:出している情報が求人票と同じ
- その2:こちらが質問ばかりしている
- その3:次の連絡をしていない
- 面談の件数と、かける時間の目安
- 効果は遅れて出る
- 誰が面談を担当するか
- カジュアル面談をどこから集めるか
- 採用イベントの後に置くのがいちばん自然
- 過去に見送った人に声をかけるとき
- 問い合わせに面談の選択肢を書いておく
- よくある質問
カジュアル面談と面接の違い
カジュアル面談は、選考ではありません。ここが曖昧なまま進めると、相手は面接だと思って身構え、こちらは評価を始めてしまいます。
カジュアル面談
合否を付けないこちらから情報を出す
相手の希望を聞く
その場で応募を求めない
目的は判断材料を渡すこと
面接
合否を付ける相手から情報をもらう
評価基準で採点する
次の段階へ進める
目的は見極め
合否を付けないと決めておく
カジュアル面談で「この人は良さそうだから選考に進めよう」と考えること自体は自然です。ただ、面談の場で評価を付けると、その後の書類選考や面接で先入観が働きます。面談の記録には、評価ではなく話したことと相手の希望だけを残してください。
相手にも先に伝える
案内の連絡に「選考ではありません」「合否は付きません」と書いておくと、相手の準備の仕方が変わります。スーツで来る必要はないこと、履歴書は不要なことまで書くと、はっきり伝わります。
カジュアル面談の進め方は4段階
カジュアル面談の進め方は、次の4段階です。こちらから話す時間を先に置くのが、面接と逆になるところです。
会社の話を先に出す理由
相手は、この会社について何も知らない状態で来ています。先に質問されると、何を基準に答えればよいか分からず、当たり障りのない話になります。こちらが仕事の中身と条件を先に出すと、相手の質問が具体的になります。
出す情報は、募集要項に書いてあること以上にする
求人票に書いてあることをなぞるだけなら、面談の意味がありません。1日の流れ、いま困っていること、どういう人が続いているかといった、文字にしにくい話を出してください。募集要項に書く範囲は募集要項の書き方にまとめています。
カジュアル面談で聞いてよいこと
選考ではないからといって、何を聞いてもよいわけではありません。面接と同じ線が引かれます。
| 聞いてよい | 避ける |
|---|---|
| いまの仕事の内容 | ご家族の状況、ご出身 |
| 転職を考えている理由 | 宗教、支持政党、思想 |
| 希望する働き方(勤務地、時間、休日) | 住宅の状況、生活環境 |
| いつごろ動く予定か | 尊敬する人物、愛読書 |
| 他にどんな会社を見ているか | 健康状態(業務上の必要性が説明できない場合) |
右の列は、厚生労働省が「公正な採用選考の基本」で配慮すべき事項として挙げているものです。場が和やかなぶん、雑談として出やすいので注意が要ります。詳しい範囲は面接で聞いてはいけない質問にまとめています。
希望条件は具体的に聞く
「どんな働き方がよいですか」だと抽象的な答えになります。勤務地、勤務時間、休日、希望年収の4つを具体的に聞くと、自社と合うかどうかがその場で分かります。合わないなら、その場で伝えたほうが双方の時間が減ります。
他社の話は否定しない
他にどんな会社を見ているかを聞いたときに、その会社を下げる話をしないでください。相手が知りたいのは自社の話です。比較は相手がやります。
記録に残すもの
カジュアル面談は、記録が無いと「会っただけ」で終わります。次に連絡するときに使える形で残してください。
| 残すもの | 使い道 |
|---|---|
| 面談日と担当 | 次に連絡するときの間隔を測る |
| 知った経路 | どこから接点ができたかを効果測定に返す |
| いまの状況 | 在職中か、いつごろ動くか |
| 希望条件 | 勤務地・時間・休日・年収 |
| こちらが出した情報 | 次に会うときに同じ話をしない |
| 次にすること | 応募を待つ/こちらから連絡する/連絡しない |
評価は書かない
記録に「良さそう」「合わなそう」と書くと、後の選考で先入観になります。書くのは事実だけにしてください。応募が来たら、そこから通常の選考が始まります。
個人情報の扱いを先に伝える
面談で聞いた内容を記録に残すこと、応募が無い場合にいつまで持っておくかを、面談の前か終わりに伝えてください。本人の同意がないまま連絡先を持ち続けないでください。保持の考え方は人材プールの作り方にまとめています。
応募につなげる置き方
カジュアル面談の終わりに、その場で応募を求めないのが基本です。求めると、面談ではなく選考の入口だったことになります。
選択肢を3つ渡す
- 応募する。いま動くつもりがあるなら、そのまま選考へ
- もう一度話す。現場の社員と会う、職場を見る
- いまは動かない。次に募集が出たときに連絡してよいか確認する
3つ渡すと、「いまは動かない」を選んでも関係が切れません。1つしか渡さないと、断る形になって連絡先も残りません。
次に連絡する時期を、その場で決める
「またご連絡します」だけだと、こちらも相手も忘れます。3か月後、半年後といった時期をその場で決めて、記録に書いてください。時期が来たら連絡できます。
職場を見せる案を持っておく
製造、建設、介護のように、実際の現場を見ないと判断できない職種では、面談の次に見学を置くと話が進みます。受け入れ方は職場見学の受け入れにまとめています。
カジュアル面談が空回りする3つの原因
面談を重ねているのに応募につながらないとき、原因はだいたい次の3つです。
その1:出している情報が求人票と同じ
相手は求人票を読んでから来ています。同じ話をされると、来た意味が無かったことになります。面談でしか聞けない話を1つは用意してください。
その2:こちらが質問ばかりしている
面談なのに面接になっている状態です。相手は評価されていると感じ、当たり障りのない受け答えになります。最初の15分はこちらが話す、と決めておくと防げます。
その3:次の連絡をしていない
面談した人のうち、その場で応募する人はごく一部です。3か月後、半年後の連絡をしていないと、面談の大半が無駄になります。記録に次の連絡時期を書いて、月に1回まとめて見る形にしてください。
面談の件数と、かける時間の目安
カジュアル面談は、1件あたり30分から60分かかります。件数を増やしすぎると、他の選考が回らなくなります。
| 状況 | 面談にかける時間 | 判断 |
|---|---|---|
| 応募が足りている | 週0件から1件 | 選考を優先する |
| 応募が足りない | 週2件から3件 | 接点をつくる価値がある |
| 専門職を探している | 件数より1件の質 | 1件に60分かけてよい |
効果は遅れて出る
面談から応募までは、数か月かかることがあります。今月の面談件数と今月の応募数を比べても、関係は出ません。面談した人が半年以内に何人応募したか、で見てください。数え方は採用の効果測定にまとめています。
誰が面談を担当するか
採用担当だけでなく、現場の社員が同席すると、仕事の中身が具体的に伝わります。ただし、聞いてよいことの線は現場の社員にも共有しておいてください。同席する人が増えるほど、雑談から線を越える確率が上がります。
カジュアル面談をどこから集めるか
カジュアル面談は、相手が来てくれないと始まりません。どこから声をかけるかを決めておかないと、制度だけあって件数が0という状態になります。
一般に使われている入口は、次の4つです。どれか1つに絞る必要はありませんが、最初は1つか2つから始めたほうが、効果が分かります。
| 入口 | 集まりやすさ | この入口で来る人の特徴 |
|---|---|---|
| 社員紹介 | 件数は少ない | 会社の話をすでに聞いている。話が早い |
| 採用イベントで会った人 | その場で予定を決めれば多い | 他社も同時に見ている。連絡は早いほうがよい |
| 過去に応募して見送った人 | 本人の同意があれば可能 | 前回からの変化を聞ける |
| 求人票からの問い合わせ | 少ないが意欲が高い | すでに応募を検討している |
採用イベントの後に置くのがいちばん自然
説明会や合同企業説明会で会った人に、その場で「もう少し詳しくお話ししませんか」と伝えると、面談につながりやすくなります。イベントの当日に日程まで決めてしまうのがコツで、後日メールで案内すると返信率が大きく下がります。後追いのしかたは採用イベント参加者のフォローにまとめています。
過去に見送った人に声をかけるとき
前回の選考で見送った人でも、募集する職種が変われば合うことがあります。ただし、連絡してよいかを前回の時点で確認しているかどうかが前提になります。確認していない相手に連絡すると、本人にとっては突然の連絡になります。同意の取り方は人材プールの作り方にまとめています。
問い合わせに面談の選択肢を書いておく
求人票や自社の採用ページに「応募の前に一度お話しすることもできます」と1行入れておくと、応募をためらっている人が動きます。応募という大きな一歩の手前に、小さな一歩を置く形です。応募の入口を1つに絞る話は選考連絡の期限の決め方で扱っています。
よくある質問
- Q. カジュアル面談は本当に選考ではないのですか?
- 選考にしないと決めた場合は、合否を付けず、記録にも評価を書かないでください。実質的に選考として使うなら、その旨を相手に伝えるべきです。選考ではないと伝えておきながら評価に使うと、後の選考で先入観が働き、双方にとって良くありません。
- Q. カジュアル面談で履歴書は必要ですか?
- 不要にしている会社が多くあります。案内の連絡に「履歴書は不要です」と書いておくと、相手の準備の負担が減って参加しやすくなります。応募の段階で改めて提出してもらう形にしてください。
- Q. カジュアル面談の時間はどのくらいが適切ですか?
- 30分から60分が一般的です。最初の15分はこちらが会社の話をして、次の15分で相手の希望を聞く配分にすると、両方が収まります。60分を超えると、相手の負担が大きくなります。
- Q. 面談の最後に応募をお願いしてもよいですか?
- その場で求めないほうが結果につながります。応募する、もう一度話す、いまは動かない、の3つの選択肢を渡してください。3つ渡すと、いま動かない人とも関係が切れず、次の募集で連絡できます。
- Q. 面談で聞いた内容は、いつまで持っていてよいですか?
- 本人に伝えて同意を得た期間までです。応募が無いまま連絡先を持ち続けないでください。次の募集で連絡してよいかを面談の場で確認し、記録にその可否を残しておくと、あとで判断できます。
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