人材紹介会社への依頼のしかた|要件の伝え方と社数
人材紹介会社に依頼したのに、紹介が来ない。あるいは、要件と違う人ばかり紹介される。丸投げにすると、ほとんどこうなります。
紹介会社の担当者は、複数の会社を同時に担当しています。要件が伝わっていて、動きやすい会社から先に紹介が出ます。この記事では、人材紹介会社への依頼のしかたを、要件の伝え方から社数、紹介が来ないときの直し方までの順に整理します。
この記事の内容(9項目)
- 紹介会社は、求人票を渡すだけでは動かない
- 最初に30分もらう
- 担当者は複数社を持っている
- 職場を見せると強い
- 要件の伝え方
- 「合わない人」がいちばん役に立つ
- 必須要件は3つ以内にする
- 選考のスピードを伝える
- 依頼する社数
- 2社から3社が管理できる範囲
- 同じ候補者が重複する
- 職種で分ける
- 紹介が来ないときの直し方
- 見送った理由を必ず伝える
- 「その条件では難しい」を無視しない
- 月1回、連絡する
- 担当者が代わったら、説明をやり直す
- 案件の管理
- 紹介の人数と、面接に進んだ人数を分ける
- 効果測定に返す
- 手数料の条件は別の表で持つ
- 紹介された候補者の扱い
- 連絡は担当者を通す
- 結果は早く伝える
- 見送る理由を担当者に伝える
- 採用が決まったら、すぐ連絡する
- 依頼を止めるとき
- 紹介中の候補者の扱いを確認する
- 止める理由を伝える
- 次の募集の見込みを伝える
- 紹介会社を使うかどうかの判断
- 先に媒体を試す
- 予算の枠を先に確認する
- 全部を紹介会社に寄せない
- 効果を数字で見る
- よくある質問
紹介会社は、求人票を渡すだけでは動かない
紹介会社の担当者は、候補者に自社を説明する立場です。求人票の情報だけでは、候補者に伝える材料が足りません。
求人票だけ渡す
条件は伝わる仕事の中身が伝わらない
どんな人が合うか分からない
紹介の優先度が下がる
説明の時間を取る
1日の流れが伝わる合う人の像が伝わる
質問に答えられる
紹介が出やすくなる
最初に30分もらう
依頼するときに、担当者と30分話す時間を取ってください。この30分があるかどうかで、紹介の量と質が変わります。オンラインで構いません。
担当者は複数社を持っている
紹介会社の担当者は、同時に何社もの求人を扱っています。候補者に紹介する順番は、担当者が決めています。説明を受けていない求人は、後回しになります。
職場を見せると強い
担当者に一度職場を見てもらうと、候補者への説明が具体的になります。時間が取れるなら、来てもらう価値があります。受け入れの形は職場見学の受け入れにまとめています。
要件の伝え方
要件は、「必須」「歓迎」「合わない人」の3つに分けて伝えると、担当者が判断しやすくなります。
| 伝えること | 書き方 |
|---|---|
| 必須要件 | 3つ以内。無いと業務が始められないもの |
| 歓迎要件 | あると良いもの。入社後に身につくもの |
| 合わない人 | 過去に合わなかった例。ここがいちばん役に立つ |
| 1日の流れ | 始業から終業まで。写真があるとなお良い |
| いま困っていること | なぜ採用するのかが伝わる |
| 選考のスピード | 応募から内定まで何日か |
| 過去に採用した人の傾向 | 前職、年代、経験 |
「合わない人」がいちばん役に立つ
必須要件だけ伝えると、要件は満たすが合わない人が紹介されます。過去に合わなかった例を具体的に伝えると、担当者が絞り込めます。「1人で判断する場面が多いので、指示待ちの方は続きにくい」といった形です。
必須要件は3つ以内にする
必須要件が多いと、該当する人がそもそも市場にいないことがあります。担当者から「その条件では難しい」と言われたら、真剣に受け止めてください。絞り方は募集要項の書き方にまとめています。
選考のスピードを伝える
担当者は、選考が遅い会社に候補者を紹介したがりません。候補者が他社に決まってしまうためです。応募から内定まで何日かを伝えて、その日数を守ってください。決め方は選考フローの作り方にまとめています。
依頼する社数
紹介会社は成功報酬なので、何社に依頼しても費用は変わらないと考えがちです。ただ、社数を増やすと別の負担が出ます。
| 社数 | 起きること | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 1社 | 関係が深くなる。紹介の量は限られる | 特定の職種に強い会社がある |
| 2社から3社 | 比較できる。管理できる範囲 | 多くの場合ここ |
| 5社以上 | 同じ候補者が重複する。連絡の対応で手が回らない | 大量に採用する場合のみ |
2社から3社が管理できる範囲
1社あたり、説明に30分、その後のやりとりに週30分ほどかかります。5社に依頼すると、それだけで週に2時間半使います。採用担当が兼務なら、この時間は取れません。
同じ候補者が重複する
複数の紹介会社から同じ人が紹介されることがあります。先に紹介した会社が優先されるのが一般的ですが、契約によって扱いが違います。重複したときの扱いを、契約の段階で確認してください。契約の見方は人材紹介の手数料の見方にまとめています。
職種で分ける
営業に強い会社と、技術職に強い会社は違います。職種ごとに1社か2社という形にすると、社数を抑えたまま幅が出ます。
紹介が来ないときの直し方
依頼したのに紹介が来ないのは、だいたい理由がはっきりしています。担当者に聞けば教えてくれます。
| 理由 | 直すところ |
|---|---|
| 要件に合う人が市場にいない | 必須要件を1つ落とせないか検討する |
| 条件が市場より低い | 給与や勤務条件を見直す。または他の魅力を伝える |
| 仕事の中身が伝わっていない | 説明の時間を取り直す。職場を見てもらう |
| 選考が遅い | 段階を減らす。日数を短くする |
| 過去に紹介した人を全部見送っている | 見送った理由を担当者に伝える |
| 担当者が自社を覚えていない | 定期的に連絡する。月1回でよい |
見送った理由を必ず伝える
これがいちばん効きます。紹介された人を見送るたびに、理由を1行伝えてください。伝えないと、担当者は同じような人を紹介し続けます。理由の区分は不採用理由の集計のしかたにまとめています。
「その条件では難しい」を無視しない
担当者は市場を見ています。難しいと言われたら、要件か条件のどちらかを動かす必要があります。そのまま待っても紹介は来ません。
月1回、連絡する
依頼したきり連絡がないと、担当者の記憶から消えます。担当者が自社を覚えていないだけ、という場合が実際にあります。採用状況を月1回伝えるだけで、優先度が戻ります。
担当者が代わったら、説明をやり直す
紹介会社の担当者は代わります。代わったら、最初の30分の説明をもう一度やってください。引き継がれていないことがあります。
案件の管理
複数の紹介会社に依頼していると、どこに何を伝えたかが分からなくなります。1社1行で持ってください。
| 列 | 役割 |
|---|---|
| 紹介会社名と担当者 | 担当者が代わったら更新する |
| 依頼した職種 | 会社ごとに違うことがある |
| 依頼日 | いつから動いてもらっているか |
| 説明した内容と日付 | 担当者が代わったときに使う |
| 紹介の人数 | 月ごとに数える |
| 面接に進んだ人数 | 紹介の質が分かる |
| 採用の人数 | 効果測定に返す |
| 手数料の条件 | 料率と返金の条件。契約書の保管場所も |
| 最後に連絡した日 | 月1回の連絡が続いているか |
紹介の人数と、面接に進んだ人数を分ける
紹介が多くても面接に進まないなら、要件が伝わっていません。この2つの数字を並べると、説明をやり直すべきかどうかが分かります。
効果測定に返す
紹介会社ごとの採用人数と費用は、募集効果管理表にも反映してください。他の経路と並べると、単価の比較ができます。数え方は採用の効果測定にまとめています。
手数料の条件は別の表で持つ
料率や返金の条件は、案件の管理表には要約だけを置いて、詳細は契約書と支払管理表で持つほうが読みやすくなります。詳しくは人材紹介の手数料の見方にまとめています。
紹介された候補者の扱い
紹介経由の候補者は、担当者を通してやりとりするのが基本です。直接連絡すると、契約上の問題になることがあります。
連絡は担当者を通す
日程の調整も、結果の連絡も、担当者を通してください。本人に直接連絡すると、紹介会社を介さない採用と見なされるおそれがあります。契約の内容を確認してください。
結果は早く伝える
担当者は、候補者に結果を伝える立場です。こちらの連絡が遅れると、担当者が候補者を待たせることになります。他の応募者より早く連絡するくらいでちょうどよい形です。
見送る理由を担当者に伝える
候補者本人に理由を伝える必要はありませんが、担当者には伝えてください。次の紹介の精度が上がります。ただし、個人の資質に触れる書き方は避け、要件との関係で伝えます。
採用が決まったら、すぐ連絡する
採用が決まったのに他の紹介会社に伝えていないと、その後も紹介が来て、断ることになります。決まった日に、依頼している全社へ連絡してください。
依頼を止めるとき
採用が決まった、募集そのものを止めた、紹介の質が合わない。止めるときも連絡が要ります。
| 状況 | 伝えること |
|---|---|
| 採用が決まった | いったん依頼を止めること。次の募集の見込み |
| 募集を中止した | 会社の都合であること。紹介中の候補者の扱い |
| 紹介の質が合わない | 要件との違いを具体的に。改善を求めるか、止めるか |
| 予算が無い | 再開の見込みを伝える |
紹介中の候補者の扱いを確認する
依頼を止めるとき、すでに紹介されている候補者がいる場合の扱いを確認してください。選考を続けるのか、止めるのか。契約上の手数料の扱いも合わせて確認します。募集を止めるときの手順は選考中止の連絡のしかたにまとめています。
止める理由を伝える
「もう結構です」だけだと、次に依頼するときに関係が切れています。理由を伝えておけば、次に依頼したときに動いてもらえます。
次の募集の見込みを伝える
採用が決まって止める場合、次に募集する見込みがあるなら伝えてください。担当者が候補者を持ち続けてくれることがあります。
紹介会社を使うかどうかの判断
紹介会社は、1人あたりの費用が高くなります。使うかどうかを、職種ごとに判断してください。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 求人媒体で応募が来ない職種 | 使う価値がある |
| 資格や経験が必須の専門職 | 使う価値がある |
| 急いで採る必要がある | 使う価値がある |
| 媒体で応募が集まっている職種 | 使わなくてよい |
| 採用単価の上限が低い職種 | 予算と合わない |
先に媒体を試す
媒体で採れる職種に紹介会社を使うと、同じ人を高い単価で採ることになります。媒体で2週間試して、応募が来ないなら紹介会社を検討する順番が無理のない形です。
予算の枠を先に確認する
成功報酬は、採用が決まってから発生します。予算に紹介の枠が無いまま依頼すると、決まったときに払えません。枠の作り方は採用予算の決め方にまとめています。
全部を紹介会社に寄せない
紹介会社だけに依存すると、紹介が来ない期間に採用が止まります。前払いの経路と成功報酬の経路を両方持っておいてください。
効果を数字で見る
紹介会社ごとの紹介人数、面接に進んだ人数、採用人数、費用を並べると、続けるかどうかが判断できます。方法は採用の効果測定にまとめています。
よくある質問
- Q. 人材紹介会社には、何社くらい依頼するとよいですか?
- 2社から3社が管理できる範囲です。1社あたり、説明に30分、その後のやりとりに週30分ほどかかります。5社に依頼すると週に2時間半かかり、採用担当が兼務なら時間が取れません。職種ごとに1社か2社という分け方をすると、社数を抑えたまま幅が出ます。
- Q. 求人票を渡すだけでは、紹介は来ませんか?
- 来にくくなります。担当者は複数社の求人を扱っていて、候補者に紹介する順番を決めています。説明を受けていない求人は後回しになります。依頼するときに30分の説明の時間を取ってください。
- Q. 紹介が来ないとき、何を確認すればよいですか?
- 担当者に理由を聞いてください。要件に合う人が市場にいない、条件が低い、選考が遅い、仕事の中身が伝わっていない、担当者が自社を覚えていない、のどれかであることがほとんどです。「その条件では難しい」と言われたら、要件か条件を動かす必要があります。
- Q. 紹介された候補者に、直接連絡してもよいですか?
- 担当者を通してください。本人に直接連絡すると、紹介会社を介さない採用と見なされるおそれがあります。契約の内容をご確認ください。
- Q. 紹介会社を使うか、求人媒体を使うか、どう判断しますか?
- 先に媒体を2週間試して、応募が来ないなら紹介会社を検討する順番が無理のない形です。媒体で採れる職種に紹介会社を使うと、同じ人を高い単価で採ることになります。ただし、資格や経験が必須の専門職や、急いで採る必要がある場合は最初から使う価値があります。
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