面接の記録

採用会議の進め方|出す資料と決め方を先に決める

公開 2026-08-30 執筆 採用板 編集部

面接が終わって、関係者が集まって合否を決める。この場が長引いたり、結局その場の空気で決まったりすることがあります。

原因は、出す資料と決め方を先に決めていないことです。一般には、評価表を先に配り、決め方(多数決か全会一致か)を決めたうえで議論する形が採られています。この記事では、採用会議の進め方を、出す資料から決め方、割れたときの扱い、記録までの順に整理します。

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この記事の内容(9項目)

採用会議で決めるのは1つだけ

採用会議で決めるのは、この候補者を次に進めるかどうかだけです。それ以外を持ち込むと、会議が長くなります。

会議で決めること

次に進めるか、見送るか
内定を出すか
条件をどうするか
その候補者についての判断

会議に持ち込まないこと

評価基準そのものの見直し
募集要項の直し
選考フローの変更
別の場で決める

基準の議論は別の場でやる

会議の途中で「そもそもこの基準がおかしい」という話が出ると、候補者の判断が止まります。気づいたことはメモに残して、募集が終わってから別の場で扱ってください。基準の直し方は面接の評価基準の作り方にまとめています。

候補者1人あたり10分を目安にする

1人に30分かけると、5人で2時間半になります。評価表が事前に配られていれば、10分で決まります。10分を超えるのは、評価が割れているときです。そこにだけ時間を使ってください。

出す資料を決める

会議の場で資料を読み始めると、それだけで時間が過ぎます。前日までに配って、読んできてもらうのが前提です。

資料入れるもの誰が用意するか
面接評価表面接官ごとの点数と、その根拠になった事実面接官
応募書類の要約経歴の要点。全文は不要採用担当
検査や実技の結果実施した条件と結果採用担当
希望条件給与、勤務地、入社可能日採用担当
選考の経緯応募日、面接日、これまでに伝えたこと採用担当

評価表は、点数だけでなく根拠を出す

点数だけを並べると、数字の大小の話になって、何を見たかが伝わりません。根拠の欄に書いた事実まで含めて配ってください。

応募書類の全文は配らない

会議の出席者全員に応募書類を配ると、回収の手間が増えて、コピーが残ります。要点だけをまとめた1枚にして、原本は採用担当が持つ形にしてください。書類の扱いは応募書類の保管と返却にまとめています。

検査の結果だけを先に出さない

数字が先に目に入ると、それに引きずられます。面接の評価と一緒に出してください。使い方は適性検査の使い方にまとめています。

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決め方を先に決める

会議を始める前に、どうやって決めるかを決めておきます。決まっていないと、最後は役職の高い人の意見になります。

決め方向いている場面起きやすいこと
全会一致少人数の職場。長く一緒に働く職種1人の反対で採用が止まる。慎重になりすぎる
多数決面接官が3人以上いる反対の理由が議論されずに流れる
決定者が決める最終的な責任者がはっきりしている他の面接官が意見を出さなくなる
拒否権つき必須要件がはっきりしている拒否の基準を明文化しておく必要がある

小さい組織では「全会一致に近い形」が多い

人数が少ない職場では、1人でも強く反対する人がいる状態で採用すると、入社後に本人が居づらくなります。ただし、慎重になりすぎて誰も採れないという形にもなりやすいので、反対する場合は理由を言う、という条件を付けてください。

拒否権を置くなら、基準を書いておく

「必須要件を満たしていない場合は、他が満点でも不合格」といった形なら、拒否権の基準になります。基準の無い拒否権は、好みで使われます。

決定者を1人置く

どの決め方でも、最後に決める人を1人決めておいてください。議論が平行線になったときに、誰が決めるかが分かっていれば会議が終わります。

評価が割れたときの扱い

採用会議でいちばん時間を使うのがここです。割れていること自体は、悪いことではありません。

平均を取らない

5点と2点を平均して3.5点にすると、割れたという情報が消えます。割れた項目について、それぞれ何を根拠にしたかを並べてから決めてください。

事実が違うのか、解釈が違うのかを分ける

状態どうする
片方が聞いていない情報があるその場で決めない。次の面接で確認する
同じ話を聞いて評価が分かれたその場で決めてよい。基準の言葉を後で直す
重視している項目が違う募集で必須にした要件に戻って判断する

1つ目の場合、情報が足りないまま決めると、後から覆ることになります。次の面接で確認する項目を決めて、その日は保留にしてください。突き合わせのやり方は面接官による評価の差を減らすにまとめています。

迷ったら次に進める

面接の枠に余裕があるなら、迷った候補者は次の段階に進めるほうが、取りこぼしが減ります。1回の面接で分からなかったことは、2回目で分かることがあります。

保留にする期限を決める

保留のまま放置すると、候補者を待たせます。「次の会議まで」といった期限を置いてください。連絡の期限は選考連絡の期限の決め方にまとめています。

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会議の進め方

1人あたり10分で回すには、話す順番を決めておくのが早道です。

  1. 採用担当が経緯を30秒で説明する。応募日、面接日、いまの段階
  2. 面接官が順に、評価と根拠を1分で話す。点数ではなく、何を見たかを話します
  3. 質問と確認。3分。事実の確認に限ります
  4. 決める。決め方に沿って結論を出します
  5. 次にすることを確認する。誰が、いつまでに、何を連絡するか

役職の高い人が最後に話す

先に結論を言われると、他の人が意見を言いにくくなります。面接官が話す順番は、役職の低い人からにしてください。これだけで、出てくる意見の量が変わります。

その場で書く

判定の記録は、会議の場で書いてください。後から書くと、誰が何を言ったかが曖昧になります。1人分は5行程度で足ります。

次にすることを必ず決めて終わる

「では、そういうことで」で終わると、連絡が遅れます。誰がいつまでに連絡するかを言ってから、次の候補者に移ってください。

記録に残す範囲

採用会議の記録は、決めた内容と、その根拠が残っていれば足ります。議事録として全部を書き起こす必要はありません。

役割
会議日と出席者誰が判断に加わったか
受付番号と氏名採用管理表と対応させる
面接官ごとの結論賛成/反対/保留
判断の根拠決め手になった事実を1行から3行
結論次に進める/内定/見送り/保留
条件について決めたこと提示する給与、入社日
次にすること誰が、いつまでに、何を

反対した人の意見も残す

採用に至った候補者について、反対意見があったことを残しておくと、入社後に見るべき点が分かります。試用期間中に確認する項目にそのまま使えます。使い方は試用期間の使い方と本採用の判断にまとめています。

個人の資質に触れる書き方を避ける

記録は社内に残ります。候補者が話した事実と、業務との関係で書いてください。人物評として読める書き方は避けます。

保管期間を決める

判定の記録も個人情報を含みます。応募書類と同じ扱いで、保管期間と見られる人の範囲を決めてください。考え方は応募書類の保管と返却にまとめています。

会議を開かずに決める場合

採用の人数が少ない会社では、会議を開かずに決めることもあります。会議の形にこだわる必要はありません。

規模決め方気をつけること
面接官が1人その場で決める評価表を書いてから決める
面接官が2人面接の直後に10分話す両方が評価表を書いてから見せ合う
面接官が3人以上会議を開く資料を前日に配る
拠点が分かれているオンラインで開く資料の共有方法を決めておく

会議を開かなくても、記録は残す

その場で決めた場合でも、誰が何を根拠に決めたかを残していないと、後から説明できません。1人分5行で足ります。

面接の直後に決めると、日数が縮む

会議の日を待つと、その分だけ結果の連絡が遅れます。面接官が2人までなら、面接の直後にその場で決める形が、いちばん日数が短くなります。選考の日数の話は選考フローの作り方にまとめています。

決める人が不在のときの代わりを決めておく

決定者が出張や休みで不在だと、そこで止まります。不在時に誰が決めるかを先に決めておいてください。

採用板が配っているのは参考様式です 採用会議 判定記録表に、法令で定められた様式はありません。採用板が配布しているのは、出席者・面接官ごとの結論・判断の根拠・次にすることを1件1行で残せる参考様式です。項目一覧と記入例は採用会議 判定記録表のページにあります。

会議が長引く3つの原因

採用会議が予定の時間で終わらないとき、原因はだいたい次の3つです。

その1:資料をその場で読んでいる

前日に配っていないと、会議の最初の10分が読む時間になります。前日までに配って、読んできてもらう形にしてください。読む時間が要るなら、その分を会議の時間に含めて設計します。

その2:基準の議論が混ざっている

「そもそもこの要件は必要か」という話が始まると、候補者の判断が止まります。気づいたことはメモに残して、募集が終わってから扱ってください。

その3:決め方が決まっていない

議論が平行線になったときに、誰がどう決めるかが分かっていないと、いつまでも続きます。決め方と決定者を先に決めておくだけで、会議は終わります。

時間を先に区切る

候補者1人あたり10分と決めて、時計を見ながら進めてください。10分を超えたら、その候補者は保留にして先に進むという運用にすると、他の候補者の判断が止まりません。

よくある質問

Q. 採用会議は全会一致と多数決のどちらがよいですか?
人数の少ない職場では全会一致に近い形が多く採られています。1人でも強く反対する人がいる状態で採用すると、入社後に本人が居づらくなるためです。ただし慎重になりすぎて誰も採れない形にもなりやすいので、反対する場合は理由を言う、という条件を付けてください。
Q. 面接官の評価が割れたときは、どう決めますか?
平均を取らないでください。割れた項目について、それぞれ何を根拠にしたかを並べます。片方が聞いていない情報がある場合は、その場で決めずに次の面接で確認してください。同じ話を聞いて解釈が分かれた場合は、その場で決めて構いません。
Q. 採用会議に応募書類の全文を配るべきですか?
配らないほうがよいです。出席者全員に配ると、回収の手間が増えてコピーが残ります。要点をまとめた1枚にして、原本は採用担当が持つ形にしてください。
Q. 面接官が1人しかいない場合も、会議は必要ですか?
会議の形にこだわる必要はありません。ただし、評価表を書いてから決めること、誰が何を根拠に決めたかを記録に残すことは、人数にかかわらずやってください。1人分5行で足ります。
Q. 採用会議が毎回長引きます。何から直せばよいですか?
資料を前日に配ること、基準の議論を持ち込まないこと、決め方と決定者を先に決めることの3つです。候補者1人あたり10分と決めて、超えたら保留にして先に進む運用にすると、他の候補者の判断が止まりません。
採用会議 判定記録表(Excel・無料)会議で誰が何を根拠に判定したかを、候補者ごとに残します。登録不要でダウンロードできます。
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本記事は一般的な業務の進め方を整理したものです。社内規程、契約条件、法令上の要件がある場合は、それらを優先してご確認ください。記事の内容は2026-08-30時点のものです。