採用管理表をエクセルで作る方法|列・入力規則・関数の決め方
応募が来るたびにメールを探し、前回どこまで進んだかを思い出しながら返信している。採用の担当が1人か2人の会社では、よくある状態です。
一般には、候補者1人を1行にした表を1枚だけ持ち、そこを見れば次にすることが分かる形にしている会社が多くあります。これが採用管理表です。この記事では、採用管理表をエクセルで作る方法を、列の決め方、データの入力規則、テーブルとCOUNTIFS関数での集計、更新の当番までの順に整理します。採用管理表の作り方を一通り押さえたうえで、ATS(採用管理システム)に移る目安と、応募者の個人情報の扱いも扱います。
この記事の内容(13項目)
- 採用管理表とは、何を管理する表か
- 週ごとの人数は採用管理表では数えない
- エクセルで採用管理表を作る4手順
- 採用管理表に入れる列と、入れない列
- 入れないほうがよい列
- 採用管理表のエクセルテンプレートから始める場合
- 採用管理表の表記ゆれは、エクセルの入力規則で止める
- 選ぶ列は、データの入力規則でリストにする
- リストの候補は別シートにまとめて置く
- 選考段階の言葉は、選考フローと同じにする
- 不採用と辞退は必ず分ける
- 採用管理表の集計は、エクセルのテーブルとCOUNTIFS関数で崩れにくくする
- 採用管理表をテーブルにする
- 段階ごとの人数はCOUNTIFS関数で数える
- 経過日数と期限切れは、数式と条件付き書式で目に入れる
- 採用管理表で扱う応募者の個人情報
- 採用管理表の更新の当番と、放置を見つける仕掛け
- 触る人と時間を決めて、表の先頭に書く
- 放置は「次回予定日」で見つける
- 共有の置き場所は1か所にする
- 採用管理表はエクセルとATSのどちらがよいか
- エクセルの限界が出るのは、この3つのとき
- 採用管理表が続かなくなる3つの原因
- その1:列が多すぎて、開くのが面倒になる
- その2:集計欄を同じシートに足してしまう
- その3:更新する人が決まっていない
- 採用管理表のエクセルにかかわる最近の動き(2026年10月時点)
- 採用管理表のエクセルに出てくる用語
- 採用管理表のエクセルと一緒に押さえておきたいこと
- ハローワークから紹介を受けた応募者は、採否の通知まで管理する
- 募集のときに示した労働条件の記録を、採用管理表とつなげて残す
- 保管期限が来た行は、件数を残して個人を識別できない形にする
- よくある質問
採用管理表とは、何を管理する表か
採用管理表とは、応募してきた人ごとに、いまどの段階にいて、次に誰が何をするかを1行で持つ表です。管理する対象は「人」であって、「募集」でも「媒体」でもありません。ここを最初に決めておかないと、列が増え続けて使われなくなります。
採用管理表で持つもの
候補者の氏名と連絡先いまの選考段階
次回の予定日と担当
応募経路
1人1行。行は増えていく
別の表で持つもの
媒体ごとの応募数と費用面接の評価点と所見
週ごとの段階別人数
費用の請求と支払
集計や記録の単位が違う
採用管理表を1枚に集約しようとすると、面接の評価も費用も同じシートに入り、列が横に伸びて印刷もできなくなります。大事なのは、1人1行を崩さないことです。1人について複数行が必要になるもの(面接の回数ごとの評価、連絡の履歴)は、別の表に切り出します。
週ごとの人数は採用管理表では数えない
「今週は何人が書類選考に残っているか」を知りたくなると、採用管理表に集計欄を足したくなります。ただ、明細と集計を同じシートに入れると、行を追加するたびに数式の範囲がずれます。採用の歩留まりの見方で扱うとおり、集計は別のシートで、週に1回まとめて数えるほうが崩れません。
エクセルで採用管理表を作る4手順
採用管理表をエクセルで作るときは、次の4手順に分けると迷いません。順番が大事で、列を決める前に入力規則から入ると、あとで全部やり直しになります。
- 列を決める。いま使っていない情報は入れません。「あとで使うかもしれない」列は、埋まらないまま残って表を読みにくくします
- 入力規則を置く。選考段階・応募経路・担当者は、手で打たずリストから選ぶ形にします
- 更新の当番を決める。誰が、いつ、どの列を触るかを1行で書いて表の先頭に置きます
- 集計は別シートにする。表をテーブルにし、集計シートでCOUNTIFS関数を使って段階ごとの人数を数えます。週ごとの数字は値として記録します
この4つのうち、抜けやすいのは3番です。列と入力規則までは作れても、更新する人と時間が決まっていない表は、2週間で止まります。
採用管理表に入れる列と、入れない列
採用管理表の列は、少ないほうが続きます。目安として、横スクロールしないで見える範囲に収めると、毎日開いてもらえます。
| 列 | 役割 | 入力の形 |
|---|---|---|
| 受付番号 | 候補者を一意に呼ぶ。氏名で呼ばない場所を作る | 連番 |
| 氏名 | 連絡と本人確認 | 手入力 |
| 応募日 | 経過日数の起点 | 日付 |
| 応募経路 | どの媒体・紹介から来たか | リストから選ぶ |
| 応募職種 | 募集ごとに分けて数える | リストから選ぶ |
| 選考段階 | いまどこにいるか | リストから選ぶ |
| 次回予定日 | 放置を見つける。並べ替えの基準 | 日付 |
| 経過日数 | 応募からの日数。返事の遅れに気づく | 数式(=TODAY()-[@応募日]) |
| 担当 | 次に動く人 | リストから選ぶ |
| 連絡先 | 電話とメール | 手入力 |
| 保管期限 | 個人情報を消す日。応募書類の保管期間とそろえる | 日付 |
| 備考 | 1行で足りる補足だけ | 手入力 |
入れないほうがよい列
次のものは、採用管理表には入れないほうが表が保ちます。どれも「1人1行」を壊す情報だからです。
- 面接の評価点と所見。面接の回数だけ増えます。評価は面接ごとの記録に残します
- 連絡の履歴。1人に何回も発生します。連絡の管理は別の表で追います
- 生年月日、家族構成、健康状態。選考の進行管理には要りません。必要な範囲を超えた個人情報を、共有ファイルに置かないでください
- 合否の理由の長文。1行に入りきらないものは、書類選考の記録側に置きます
採用管理表のエクセルテンプレートから始める場合
採用管理表は、一から作らずにエクセルのテンプレートから始めても構いません。採用板の採用管理表のページに、必要な欄をあらかじめ入れたExcelの様式と、項目一覧・記入例をまとめてあります。テンプレートを使う場合も、自社で使わない列を最初に消し、選考段階のリストを自社の言葉に直してから使い始めると、途中で列の意味がぶれません。
採用管理表の表記ゆれは、エクセルの入力規則で止める
採用管理表が使われなくなる原因でよく見るのが、表記ゆれです。「書類選考」「書類」「書類中」が同じ列に混ざると、絞り込みも件数も合わなくなります。
選ぶ列は、データの入力規則でリストにする
エクセルの「データ」タブにある「データの入力規則」で、入力値の種類を「リスト」にし、元の値に候補を並べます。手で打てなくなるので、ゆれが物理的に起きません。リストにするのは次の4列です。
| 列 | リストの例 | 決めておくこと |
|---|---|---|
| 選考段階 | 応募受付/書類選考/一次面接/二次面接/最終面接/内定/入社/不採用/辞退 | 会社の選考フローと同じ言葉にする |
| 応募経路 | 自社サイト/ハローワーク/求人媒体A/紹介会社B/社員紹介/その他 | 費用の集計と同じ区分にする |
| 応募職種 | 募集中の職種名 | 求人票の職種名と一字一句そろえる |
| 担当 | 採用にかかわる人の氏名 | 退職・異動のたびに直す |
リストの候補は別シートにまとめて置く
元の値には、候補をカンマで区切って直接書くこともできますが、候補が多い列は、別シート(たとえば「リスト」シート)に候補を縦に並べ、そのセル範囲を元の値に指定すると直しやすくなります。また、入力規則の「エラー メッセージ」タブでスタイルを「停止」にしておくと、リストにない値は入力できません。
選考段階の言葉は、選考フローと同じにする
採用管理表の選考段階は、選考フローの作り方で決めた段階の名前をそのまま持ってきます。表だけ別の言葉になっていると、集計したときにどの段階の数字か分からなくなります。言葉を決める場所は1か所にしてください。
不採用と辞退は必ず分ける
同じ「進まなかった」でも、会社が見送ったのか、本人が降りたのかで、次にやることが正反対になります。まとめて「終了」にすると、あとから分けられません。この2つを分けていない表は、改善の材料になりません。
採用管理表の集計は、エクセルのテーブルとCOUNTIFS関数で崩れにくくする
採用管理表の集計で崩れやすいのは、行を足したときに数式の範囲から外れることです。エクセルでは、表を「テーブル」にしておくと、この崩れをかなり防げます。
採用管理表をテーブルにする
見出し行を含めて表を選び、「ホーム」タブの「テーブルとして書式設定」でテーブルにします。Microsoftの説明では、テーブルの最後の行のすぐ下のセルに入力を始めると、テーブルが広がって新しい行として加わります。テーブルに「応募者」のような名前を付けておくと、数式の中で 応募者[選考段階] のように列を名前で指せます(構造化参照)。
段階ごとの人数はCOUNTIFS関数で数える
COUNTIFS関数は、複数の範囲に条件を付けて、すべての条件に合うセルの数を数える関数です。書式は =COUNTIFS(条件範囲1, 検索条件1, [条件範囲2, 検索条件2], …) で、追加の範囲は最初の範囲と同じ行数・列数にする必要があります。テーブルの列を指定すれば、この条件は自然にそろいます。
| 数えたいもの | 数式の例(テーブル名「応募者」) |
|---|---|
| 一次面接にいる人数 | =COUNTIFS(応募者[選考段階],"一次面接") |
| 2026年10月にハローワークから来た応募の数 | =COUNTIFS(応募者[応募経路],"ハローワーク",応募者[応募日],">="&DATE(2026,10,1),応募者[応募日],"<"&DATE(2026,11,1)) |
| 次回予定日が過ぎている、選考中の人数 | =COUNTIFS(応募者[次回予定日],"<"&TODAY(),応募者[選考段階],"<>不採用",応募者[選考段階],"<>辞退",応募者[選考段階],"<>入社") |
集計シートの左の列に選考段階を並べ、右の列にこの式を入れておくと、採用管理表を更新するだけで人数が変わります。週ごとの推移を残したいときは、金曜日にその週の数字を値として貼り付けて記録します。採用の歩留まりの見方で扱う段階ごとの割合も、この数字から出せます。
経過日数と期限切れは、数式と条件付き書式で目に入れる
応募日からの日数は、テーブルに「経過日数」の列を足して =TODAY()-[@応募日] と入れると、行ごとに計算されます(表示形式は「標準」か「数値」にします)。次回予定日が過ぎた行は、条件付き書式で色を付けておくと、並べ替えなくても目に入ります。ポイントは、数式を入れる列と、人が入力する列を分けておくことです。数式の列に手で値を上書きすると、その行だけ計算が止まります。
出典:COUNTIFS 関数(Microsoft サポート)、Excel で行と列を追加または削除してテーブルのサイズを変更する(Microsoft サポート)、Excel テーブルでの構造化参照の使い方(Microsoft サポート)、セルにデータの入力規則を適用する(Microsoft サポート)
採用管理表で扱う応募者の個人情報
採用管理表は、応募者の氏名や連絡先を検索できるように並べた表なので、個人情報保護法の「個人情報データベース等」に当たり、1行ずつが「個人データ」として扱われます(個人情報保護法16条1項・3項)。採用管理表をエクセルで作る場合も、この前提で置き場所と見られる人を決めます。
| 求められていること | 根拠 | 採用管理表のエクセルでやること |
|---|---|---|
| 利用目的をできる限り特定し、書面で直接受け取るときはあらかじめ明示する | 個人情報保護法17条・21条2項、職業安定法5条の5 | 応募フォームや募集要項に「採用選考のため」などの目的を書く。目的に関係のない列を作らない |
| 正確かつ最新に保ち、要らなくなったら遅滞なく消去するよう努める | 個人情報保護法22条、職業安定法の指針 第五の二 | 「保管期限」の列を作り、期限が来た行の氏名・連絡先を消す |
| 漏えいなどを防ぐための安全管理措置 | 個人情報保護法23条 | ファイルの置き場所を1か所にし、閲覧できる人を絞る。メールにファイルを添付して回さない |
| 正当な権限のない人が見られないようにする | 職業安定法の指針 第五の二(一)ハ | 共有フォルダの権限を、採用にかかわる人だけにする |
| 本籍・出生地、思想・信条、労働組合への加入状況などは原則として集めない | 職業安定法の指針 第五の一(二) | こうした列を作らない。自由記述の備考にも書かない |
採用管理表の個人情報で、ポイントは「列を作らない」がいちばん確実な対策だということです。持っていない情報は漏れません。保管期間の決め方と消し方は応募書類の保管期間で詳しく扱っています。
出典:個人情報の保護に関する法律(e-Gov法令検索)、職業安定法(e-Gov法令検索)、職業安定法に基づく指針(平成11年労働省告示第141号、厚生労働省)
採用管理表の更新の当番と、放置を見つける仕掛け
採用管理表が壊れやすいのは、更新されなくなったときです。中身が古いと分かった瞬間に、誰も見なくなります。
触る人と時間を決めて、表の先頭に書く
表の1行目に、次の1文を書いておきます。文章にしておくと、担当が代わったときにそのまま引き継げます。
放置は「次回予定日」で見つける
次回予定日の列で並べ替えると、日付が過ぎている行が上に集まります。ここに残っている人は、こちらの連絡が止まっている人です。週に1回この並べ替えをするだけで、放置はほぼ無くなります。
連絡そのものの期限や、宛先の二重化は選考連絡の期限の決め方で扱っています。返事が遅れることは、選考辞退の原因のうちで自社が直せる数少ないものです。
共有の置き場所は1か所にする
採用管理表が人によって手元にコピーされると、どれが最新か分からなくなります。共有フォルダかクラウドストレージに1つだけ置き、ファイル名に日付を付けないのがコツです。日付を付けると、その瞬間からコピーが増えます。
採用管理表はエクセルとATSのどちらがよいか
採用管理表をエクセルで作っていると、「システムを入れたほうがよいのでは」という話がよく出ます。この記事では、年間の採用人数と、表を触る人数の2つを目安にしています。
エクセルが向いている
年間の採用が数名から十数名表を触る人が1人か2人
選考フローが職種で大きく違う
費用をかけずに始めたい
まず形を決める段階
ATSが向いている
年間の採用が数十名以上複数拠点・複数部門で見る
媒体からの自動取り込みが要る
応募者本人が状況を見る仕組みが要る
件数で手が回らない段階
順番として無理がないのは、エクセルで一度回してからシステムを検討するやり方です。管理する列と選考段階が決まっていない状態でシステムを入れると、設定の段階で止まります。エクセルで3か月回すと、自社に本当に要る列が分かります。
エクセルの限界が出るのは、この3つのとき
- 同時に触りたい人が増えたとき。共有フォルダに置いたファイルを同時に開くと、上書きや保存の競合が起きやすくなります。OneDriveやSharePointに置いて共同編集する方法もあります
- 候補者本人に見せる情報が出てきたとき。マイページや自動返信は表では作れません
- 個人情報の閲覧範囲を人ごとに分けたいとき。ファイル単位でしか権限を分けられません
この3つに当たっていないうちは、エクセルで足ります。件数が少ないのにシステムを入れて、入力の手間だけが増えているという話は、規模の小さい会社ではよく聞きます。
採用管理表が続かなくなる3つの原因
作った直後は使われて、1か月ほどで止まる。採用管理表でよくある止まり方には、決まった形があります。
その1:列が多すぎて、開くのが面倒になる
横スクロールしないと全部見えない表は、更新のたびに探す時間がかかります。使っていない列は、隠すのではなく消してください。隠した列は、次の人が「意味があるはず」と考えて残してしまいます。
その2:集計欄を同じシートに足してしまう
表の下や右に集計欄を作ると、行を追加したときに数式の範囲から外れます。気づかないまま数字が減り、「先月より応募が減った」と誤って報告することになります。集計は別シートに置き、週に1回転記する形にすると、この事故が起きません。
その3:更新する人が決まっていない
全員が更新できる状態は、誰も更新しない状態と同じです。更新する人を1人決めて、他の人は依頼する形にしたほうが、小さい組織では続きます。担当が代わるときの引き継ぎは、採用担当の引き継ぎにまとめています。
採用管理表のエクセルにかかわる最近の動き(2026年10月時点)
採用管理表のエクセルに決まった様式はありませんが、表に載せる応募者の個人情報と、募集のときに示す労働条件については、2022年以降も改正が続いています。採用の環境を示す統計とあわせて、日付順に並べます。
| 時期 | 出来事 | 採用管理表への影響 |
|---|---|---|
| 2022年10月1日 | 改正職業安定法(雇用保険法等の一部を改正する法律、令和4年法律第12号)が施行された。求職者等の個人情報を集めるときは、どんな目的で集め、保管し、使うのかを、求職者が一般的かつ合理的に想定できる程度に具体的に示すことが、厚生労働省の指針に書き込まれた | 採用管理表に入れる情報の目的を、応募の入口で示しておく |
| 2024年4月1日 | 労働条件明示のルールが改正された。労働契約を結ぶときに、就業場所と従事すべき業務の「変更の範囲」を示すことになった(労働基準法施行規則5条1項1号の3)。募集のときに示す事項にも、業務の内容と就業の場所の変更の範囲が入っている(職業安定法施行規則4条の2第3項1号・3号) | 採用管理表の「応募職種」を求人票の職種名とそろえ、どの版の求人票で応募を受けたかを追えるようにする |
| 2024年4月1日 | 個人情報保護法施行規則の改正(令和5年個人情報保護委員会規則第5号)が施行された。不正の目的による行為で漏えい等が起きたときの報告の対象に、事業者が「取得し、又は取得しようとしている個人情報」で個人データとして扱う予定のものが加わった(規則7条3号) | 応募フォームから採用管理表に取り込む前の情報も、管理の対象として考える |
| 2025年7月1日 | 個人情報保護委員会が「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&Aを追加・更新した。確認日時点の版でも、保存期間の定めはないこと(A5-2)、不採用者の情報は合理的な期間が過ぎた後の利用停止等の請求に応じる義務があると考えられること(A9-20)が示されている | 採用管理表に「保管期限」の列を持つ根拠になる |
| 2026年7月17日 | 個人情報保護法等の一部を改正する法律(令和8年法律第56号)が公布された(7月10日成立)。委託を受けた事業者の義務の見直し、漏えい等が起きたときの本人への通知の緩和、課徴金の導入などが入った。施行は原則として公布の日から2年を超えない範囲 | ATSやクラウドに採用管理表を置いている会社は、施行までに委託先との取り決めを見直す |
| 2026年10月2日 | 厚生労働省が一般職業紹介状況(2026年8月分)を公表した。有効求人倍率は1.18倍(前月と同水準)、新規求人倍率は2.06倍、正社員有効求人倍率は1.00倍(いずれも季節調整値) | 応募の数が限られる中で、応募から次の連絡までの日数を採用管理表で見える形にしておく |
採用管理表のエクセルで、ポイントは表の形そのものより、表に何を載せてよいか・いつ消すかのほうが法令で動いていることです。列を足すときは、目的と保管期限を一緒に決めておくと、改正があっても直す場所が少なくて済みます。
出典:職業安定法(e-Gov法令検索)、職業安定法に基づく指針(平成11年労働省告示第141号、厚生労働省)、職業安定法施行規則(e-Gov法令検索)、労働基準法施行規則(e-Gov法令検索)、令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます(厚生労働省)、個人情報の保護に関する法律(e-Gov法令検索)、個人情報の保護に関する法律施行規則(e-Gov法令検索)、「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A(個人情報保護委員会)、令和8年 改正個人情報保護法について(個人情報保護委員会)、一般職業紹介状況(令和8年8月分)について(厚生労働省)
確認日は2026年10月6日です。募集と労働条件の明示は都道府県労働局(職業安定部・労働基準部)に、個人情報の扱いは個人情報保護委員会の「個人情報保護法相談ダイヤル」に、エクセルの操作はMicrosoftのサポートページにご確認ください。
採用管理表のエクセルに出てくる用語
採用管理表のエクセルの話では、採用の言葉とエクセルの機能の言葉が混ざって出てきます。意味と出典を並べます。
| 用語 | 意味 | 出典 |
|---|---|---|
| 採用管理表 | 応募者ごとの選考の進み具合を、1人1行で持つ表 | 法令上の定義はない |
| ATS(採用管理システム) | 応募の受付から選考の進行、連絡までをまとめて扱うシステム | 法令上の定義はない |
| 選考段階 | 応募受付から内定・入社までの、いまどこにいるか | 法令上の定義はない |
| 歩留まり | ある段階から次の段階へ進んだ人の割合 | 法令上の定義はない |
| データの入力規則 | セルに入力できる値を制限するエクセルの機能。入力値の種類を「リスト」にするとドロップダウンから選ぶ形になる | Microsoft サポート「セルにデータの入力規則を適用する」 |
| テーブル | 見出し付きの範囲をまとめて扱うエクセルの機能。最後の行のすぐ下に入力すると広がる | Microsoft サポート「Excel で行と列を追加または削除してテーブルのサイズを変更する」 |
| 構造化参照 | セル番地の代わりに、テーブル名と列名で範囲を指す書き方(例:応募者[選考段階]) | Microsoft サポート「Excel テーブルでの構造化参照の使い方」 |
| COUNTIFS関数 | 複数の範囲と条件の組を指定し、すべての条件に合うセルの数を数える関数。組は最大127組まで | Microsoft サポート「COUNTIFS 関数」 |
| 個人データ | 個人情報データベース等を構成する個人情報。採用管理表の各行はこれに当たる | 個人情報保護法16条3項 |
| 求職者等の個人情報 | 求職者や、募集に応じて労働者になろうとする者などの個人情報 | 職業安定法5条の5 |
採用管理表のエクセルで混ざりやすいのは、「データの入力規則」と「テーブル」です。入力規則は1つのセルに入る値をそろえる機能、テーブルは表全体の範囲を自動で広げる機能で、役目が違います。表記ゆれを止めるのが入力規則、集計の範囲ずれを止めるのがテーブル、と覚えておくと迷いません。
採用管理表のエクセルと一緒に押さえておきたいこと
採用管理表のエクセルの解説は、テンプレートの配布か、列の一覧で終わることが多くあります。運用で抜けやすいことを3つ挙げます。
ハローワークから紹介を受けた応募者は、採否の通知まで管理する
求人者は、公共職業安定所から求職者の紹介を受けたときは、採用したかどうか、採用しないときはその理由を、速やかに公共職業安定所へ通知するものとされています(職業安定法施行規則4条の2第8項)。採用管理表の応募経路が「ハローワーク」の行には、「採否通知」の列を足して、通知した日を入れると漏れません。通知のしかたはハローワークへの採否通知にまとめています。
募集のときに示した労働条件の記録を、採用管理表とつなげて残す
募集する会社は、募集のときに示した業務の内容や労働条件の記録を、募集が終わる日(その後に労働契約を結ぶ相手については、契約を結ぶ日)まで保存しなければならないとされています(職業安定法施行規則4条の2第7項)。採用管理表に「求人票の版」の列を持ち、どの求人票で応募を受けたかを書いておくと、後から条件を確かめるときに迷いません。
保管期限が来た行は、件数を残して個人を識別できない形にする
個人情報保護法では、利用する必要がなくなった個人データは遅滞なく消去するよう努めることとされています(22条)。個人情報保護委員会のQ&A(A9-18)は、「消去」には、データを削除することのほか、特定の個人を識別できないようにすることも含むとしています。採用管理表では、保管期限が来た行の氏名と連絡先を消し、受付番号・応募経路・選考段階・結果は残す形にすると、個人情報を持ち続けずに、応募数や歩留まりの集計は続けられます。
出典:職業安定法施行規則(e-Gov法令検索)、個人情報の保護に関する法律(e-Gov法令検索)、「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」に関するQ&A(個人情報保護委員会)
よくある質問
- Q. 採用管理表はエクセルとスプレッドシートのどちらがよいですか?
- 同時に触る人が2人以上いるなら、GoogleスプレッドシートかOneDrive・SharePointに置いたエクセルの共同編集、1人で管理して印刷や配布が多いならエクセルのファイルが扱いやすいです。判断の分かれ目は共同編集の有無で、機能の差ではありません。採用板が配っている様式はxlsx形式なので、スプレッドシートへ読み込んでも使えます。
- Q. 候補者の個人情報を、採用管理表にどこまで書いてよいですか?
- 選考を進めるために必要な範囲にとどめるのが基本です。氏名・連絡先・応募経路・選考段階までは進行管理に要りますが、家族構成や健康状態は要りません。取得した情報の保管と削除の考え方は、応募書類の保管と返却で扱っています。
- Q. 不採用になった人の行は、表から消したほうがよいですか?
- 選考が終わってすぐ行ごと消すと、応募数や不採用数が数えられなくなります。選考段階を「不採用」に変えて絞り込みから外しておき、社内で決めた保管期限が来たら、氏名と連絡先を消して受付番号・応募経路・結果だけを残す形が扱いやすいです。個人情報保護委員会のQ&Aでは、特定の個人を識別できないようにすることも「消去」に含まれるとされています。
- Q. エクセルの採用管理表で、段階ごとの人数を自動で数えるには?
- 表をテーブルにして「応募者」のような名前を付け、集計シートで =COUNTIFS(応募者[選考段階],"一次面接") のようにCOUNTIFS関数を使います。応募経路や応募日の条件を足せば、媒体別・月別の人数も数えられます。テーブルにしておくと、行を足しても数式の範囲から外れません。
- Q. 採用管理表と採用進捗集計表は、どう使い分けますか?
- 採用管理表は候補者1人を1行にした明細、採用進捗集計表は週ごとに段階別の人数を数えた集計です。明細と集計を同じシートに入れると数式がずれるので、分けたほうが崩れません。集計の見方は採用の歩留まりの見方にまとめています。
- Q. 採用管理表を作る前に決めておくことはありますか?
- 選考段階の名前です。応募受付から内定までの段階を先に決めてから列を作らないと、途中で言葉が変わって集計できなくなります。段階の決め方は選考フローの作り方にまとめています。
あわせて読みたい記事
本記事は一般的な業務の進め方を整理したものです。社内規程、契約条件、法令上の要件がある場合は、それらを優先してご確認ください。記事の内容は2026-10-06時点のものです。